★ 日本の衣服、ものづくりの意志
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日本のテキスタイル
今に続く伝統を、受け継ぎ、担い、発展させる流れがものづくりの意志として息づく日本。
今回は、日本のテキスタイルについてお話します。
日本は島国であることで、外敵から身を守ることにつながっていました。ただ、資源という面で乏しいことが難点でした。
衣服にも影響していきます。
1200年以上の歴史の中で積み重ねた衣服の文化は素材の無駄を徹底的に無くす試みと、日本独自の気候に合ったスタイルが育まれてきました。
そのため、布のデザインにも平面に彩る色彩や加工が美を紡いでいきました。
デザインにおいても無駄を意識したことで影響が及びました。
気候面では、雨季の湿気を考慮して機能性の生地を使用したり、デザインも重ね包む形が江戸まで続くことになりました。
歴史の変動が明治において起こります。
西洋の文化が入る事により、共存した部分と絶えず引き継がれたものが、この時代激しく動きました。
西洋文明に追いつくため、日本は軍国主義に走ります。服装は動きやすい洋服になり、カタチから西洋に並ぼうと努力していきます。
ただ、部屋着やくつろぐ場では未だ和装でした。
その後、変化の遅れがあった女性も、関東大震災や洋風の建築が多くなり、畳から椅子に座るスタイルの変化が要因で洋装化が進みました。
この時代を経て大正ロマンとなります。
テキスタイルにおいて、洋装化は大きな変化となり、織機の改良や国の政策で素材の品質向上・大量生産化が進むことで、後のテキスタイルづくりの基盤が出来上がりました。大規模な工業化が多種多様なテキスタイルづくりの原点になり、今の日本の技術進歩につながりました。
また、引き続き日本のテキスタイルについてお話しをしていきます。